NTFS3はなぜ「NTFS3」と呼ばれているのですか? |
NTFS3が「NTFS3」と呼ばれる理由は、NTFSの最新バージョンである NTFS3.1のシステム要件をすべて実装しているためです。NTFSという名前は将来的に変更される可能性が低いため、「NTFS3」という名称は、NTFSの最新機能を実装していることを反映するものとなります。 | |
パラゴンが市販しているNTFSドライバーと、Linuxカーネルに搭載するために提供しているNTFS3の違いは何ですか? |
商用向けNTFSドライバーと、Linuxカーネル向けNTFS3はそれぞれ異なるコードベースから派生しています。商用向けNTFSドライバーは、2000年に発表した「NTFS for DOS」を元として、20年以上にわたってアップデート・改良されてきました。NTFS3は2020年にLinuxカーネルの一部となることを意図して、ゼロから開発されました。NTFS3はC言語で書かれていますが、商用向けドライバーはC++とCのコードを組み合わせて書かれています。 双方の実装ともに、パラゴンの包括的なテストを経ています。ファイルシステム実装の品質保証(QA)プロセスには、スモークテスト、パフォーマンステスト、ロードテスト、長期耐久・クラッシュテスト、ストレステストなど、160,000以上のテストが含まれています。 NTFS for Linuxおよび他社が提供する実装との比較はこちらをご参照ください。 | |
LinuxカーネルオリジナルのNTFS対応やNTFS-3Gと、パラゴンが提供するNTFS3の違いは何ですか? |
Linuxカーネルに2001年から提供されているNTFSへのサポートは、非常に機能が限られており、特にNTFSへの書き込みについてサポートしていませんでした。それにより、これまではNTFS-3GがNTFSをLinux上で有効とする事実上の標準手段でしたが、NTFS-3Gはユーザー空間内のファイルシステム (FUSE) であるため、パフォーマンスが劣るものとなります。一方、NTFS3はカーネルによるNTFS実装であり、FUSEベースの実装よりもはるかに高速なパフォーマンスを実現しています。 | |
NTFS3を古いバージョンのLinuxへ適用できますか? NTFS3のコードはLinuxをベースとするOSでも使用できますか? |
パラゴンは正式にNTFS3が実装されたカーネル5.15より以前のバージョンでの安定した動作を保証いたしません。また、Linuxから派生したフォークでの検証は行われていません。このような場合には、互換性、安定性、データの整合性を確保するため、商用向けNTFSドライバーの使用を強く推奨します。 | |
NTFS3のコードに対して技術的な問題に直面した場合、パラゴンからの直接的な技術的協力を期待できますか? |
NTFS3はオープンソースプロジェクトであり、パラゴンはNTFS3のコードのメンテナーです。個人からのリクエストはオープンソースコミュニティからのリクエストと同様に対処されます。ただし、パラゴンはコミュニティとは異なる独自のペースで運営しているため、問題に対する確実な回答所要時間を提示することはできません。 | |
LinuxカーネルのNTFS3コードに対するパラゴンのサポートコミットメントはどのような内容ですか? |
パラゴンはNTFS3コードのメンテナーとして、NTFS3をサポートしたLinuxカーネルの新バージョンがすべて、パラゴンが商用向けファイルシステムドライバーの実装に使用しているパラゴン内部のテストカバレッジに合格するように努めています。テストカバレッジには、新しいバグ/問題が含まれ、時間とともに項目が追加されています。パラゴンの商用向け実装の品質保証(QA)プロセスには、現在、スモークテスト、パフォーマンステスト、ロードテスト、長期耐久クラッシュテストやストレステストなど、160,000以上のテストが含まれています。 | |
NTFS3に対して、商用の技術サポート契約を結べますか? |
可能です。しかしGPLライセンスに則り、変更されたNTFS3のコードはすべてオープンソースとする必要があります。技術的なサポートが必要で、なおかつGPLの要件を満たすことができない場合は、パラゴンとライセンス契約を結んで商用のNTFSドライバーを使用することを推奨します。 | |
ファイルシステムユーティリティの追加は予定されていますか? 既存のfsck.NTFS/NTFSck や fsck.(v)fat などの実装は正常に動作していないため、コミュニティは修正を待ち望んでいます。 |
はい、mkfs NTFSユーティリティの公開とオープンソース化を予定しています。 | |
なぜパラゴンはオープンソースバージョンのNTFSドライバーをLinuxカーネル向けにリリースしたのですか? |
パラゴンは、LinuxカーネルへのNTFSの適切な実装が待ち望まれていると考えています。今日に至るまで、完全な読み書きをサポートするネイティブで堅牢なNTFSドライバーをLinuxカーネルに実装することは誰にもできませんでした。パラゴンにとっては、コミュニティに対する貢献のプロセスを経て、オープンソースコミュニティの懸念に対応するための集中的な努力が必要でした。パラゴンの主な事業目的の1つは、Linuxやその他のOS向けに商用での実装を提供することです。これには、24時間365日の献身的なサポート、詳細なパフォーマンスの微調整、高度なハードウェアや法的要件への準拠が必要です。NTFS3は、より広範なWindows環境との容易な相互運用性を実現することで、Linuxを次のレベルに引き上げるためパラゴンがLinuxのエコシステムへ贈るプレゼントとして作られました。なお、パラゴンはNTFSが必ずしも商用アプリケーションに最適なファイルシステムではないことを認識しており、商用利用のために独自の最新ファイルシステム: Paragon FSを開発しています。 | |
OEMメーカーで、Linuxを搭載したデバイスでNTFSの読み書きをサポートする必要があります。この場合、オープンソースで、パラゴンによりLinuxカーネルに実装されているNTFS3と、パラゴンの商用のプロプライエタリコードのどちらを使用するべきでしょうか? |
どちらを選択するか、はお客様次第です。どちらも技術的な観点からは優れた実装です。しかしながら、プロプライエタリなコードには通常サポートが付属しており、また問題には20年以上にわたって複雑な問題に対処してきた経験を持つ弊社チームが対処することを保証します。カーネルへのファイルシステムの実装は複雑なものであり、LinuxだけではなくmacOSでも、何十年もの間カーネルレベルで安定したNTFSの書き込みサポートを実装できませんでした。これは、主にシステムへ変更を加える際に、データ損失のバグを確実に排除するために、非常に高度なテスト環境が必要という事実のためです。またパラゴンによるLinuxカーネルへのNTFSサポートの実装は、パラゴンの内部テスト要件に準拠してテストされていますが、Linuxカーネルに採用された、コミュニティによってさらに変更されたコードをすぐにテストすることはできません。 もうひとつの側面は、特定のデバイスのパフォーマンスのために細やかな調整を行うことです。スマートフォンやアクションカメラでLinuxを実行し、NTFSでフォーマットされたメディアにアクセスする場合、サーバーやデスクトップでLinuxを実行する場合とは、パフォーマンス・消費電力・フットプリント・使用できるメモリの要件が異なります。このような要件に対応するための調整は、最終的な構成に大きな違いをもたらします。メーカー内部でテスト・チューニング行える場合は、オープンソースの実装を利用することも可能です。しかし更なるもう一つの側面として、NTFSを実装する変更をカーネルに施した場合は、GPLライセンスの要件に従って、ハードウェアと共に配布される場合変更内容をすべて公開する必要があります。多くの場合、OEMメーカーは様々な理由でこれを忌避するため、商用ライセンスであるパラゴンのプロプライエタリなコードの使用を選択することとなります。以上のことは、exFATの実装にも当てはまります。 | |
今後もパラゴンは商用向けNTFSドライバーのメンテナンスを継続しますか? |
パラゴンソフトウェアは20年以上にわたり商用向けNTFSドライバーを提供し続け、また今後もLinuxをはじめとするOSでご利用いただけるように、現在および将来の商用顧客のニーズに応えるための開発をさらに進めて参ります。 | |