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フラッシュメモリーに最適化された組み込み向けファイルシステム
Paragon File System (Paragon FS) は新規に開発された、AUTOSAR®に準拠したフラッシュメモリーに最適化されたファイルシステムです。フラッシュメモリーの寿命と性能に焦点をあてた、極めて過酷な使用状況を想定し、限られたリソースのIoTデバイスから自動車のバーチャルコクピット・自律型産業システムに至るまでの幅広いハードウェアに対応しています。
Paragon File Systemはどのように開発されたのですか?
既存のファイルシステムは、すべて特定の目的のために開発されてきた経緯があります。またこれらのファイルシステムは特定の目的やOSのアーキテクチャに最適化された、類似した論理的・仮想的・物理的構造とモジュールを持ち合わせています。パラゴンソフトウェアは、これまで20年間以上に渡って市場に存在するほとんどのOSに対して、既存のファイルシステムへのサポートを実装してきた経験から、商用のお客様に完璧なファイルシステムを構築するための「DNAレベル」の知識を得ることができました。この知識により、パラゴンソフトウェアは既存のファイルシステムをお客様のニーズに合わせて採用・実装するのではなく、特定のお客様のニーズに的確に対応するために、モジュール化された、設定が可能で適応性のある Paragon File Systemを生み出しました。
このParagon FSは組み込み向け機器の開発者に、彼らが採用するストレージへ究極の正確さと構成可能性を与えるものとなります。またこれはお客様にとっては、可能な限りでの最高のパフォーマンス・ストレージの寿命延長・低消費電力・CPU使用量の削減・稼働停止時間の短縮・最高の耐故障性を取得することを意味します。
Paragon File Systemのバージョン2.0は一般的な使用を目的としています。バージョン1は特定のお客様のニーズに焦点を当てていたため、サードパーティが使用可能なSDKとして出荷する準備ができていませんでした。
Paragon FSの安定性と品質は、これまで20年以上にわたって商用ファイルシステムドライバーを開発してきたパラゴンソフトウェアの経験が保証します。またParagon FSは、ファイルシステムの実装に関する包括的なパラゴン内部の品質保証およびテスト手順に準拠しています。このテストには、過去20年間にパラゴンが数多くの商用組み込み製品の顧客向けに開発した160000を超える項目が含まれており、環境に関係なくParagonFSの最適なパフォーマンスと安定性が保証されます。 このテストカバレッジは時間の経過とともに項目が追加されており、パラゴンソフトウェアがその幅広いファイルシステム実装時に遭遇した新しいテストとケースが含まれています。
主な利点
商用
- フットプリントとパフォーマンスの最適化 –小規模なIoT機器から自動車のバーチャルコクピットに至るまで、使用環境とシナリオに基づいたファインチューニングを行います。
- AUTOSAR®準拠 – Paragon FSを搭載した統合ソリューションでシンプルかつ容易に規格に準拠することができます。
開発者
- POSIX®への対応により、ACL・ハードリンク・シンボリックリンクなどの周知のAPIが提供されます。
- NAND型およびNOR型両方のフラッシュメモリーをサポートします。
- 容易なインテグレーション– Paragon FSは既に様々な組み込み環境およびリアルタイムOSへ移植されています。お使いのOSが移植済みリストにない場合は、パラゴンはライブラリとしてシステムの情報を取得した上で、お使いのOSへの移植を支援します。
ユーザー
- ツリー型のメタデータによりデータの検索やメタデータのバージョンのナビゲーションが迅速に行えます。
- メタデータを含むすべてのデータを損なわないトランザクションをサポートします。
- ダイナミックウェアレベリングとコピーオンライト技術により、フラッシュメモリーの寿命を最大限に延長します。
Paragon File System 2.0の利点
- AUTOSAR®準拠
- フェイルセーフ仕様
- フラッシュへ最適化されたパフォーマンスとウェアレベリング
- RTOS/IoTデバイスへの最適化
- VFSエミュレーション
- ブロックおよびファイルレベルのキャッシュ
- POSIX®準拠
- シンボリック/ハードリンク
- 静的メモリアロケーション
機能
機能 | 内容 |
---|---|
フェイルセーフ | Paragon FSは原子性・一貫性・分離性・永続性を備えたトランザクションを使用しています。中間データは保存されません: すべてのデータは最終的なものとなります。停電などでクラッシュした場合、最新のよく知られたファイルシステムの状態へ戻ることが可能です。 |
フラッシュへの最適化 | Paragon FSはダイナミックウェアレベリングとコピーオンライト技術を使用してフラッシュメモリーの長寿命化を図ります。またParagon FSはアンマネージドフラッシュメモリー (NAND/NOR) 向けに設計されています。 |
AUTOSAR®準拠 | C ++コード、C互換のインターフェース。 Paragon FSを統合することで、AUTOSAR®準拠のexFATサポートが容易に追加できます。 |
VFSエミュレーション | シンプルなVFS統合を提供するモジュール |
ファイルキャッシュ | ファイルキャッシュレイヤーを提供するモジュール |
POSIX®準拠 | POSIX®のようなAPIを用いてParagon FSとアプリとの連携を容易にするモジュール |
ブロックキャッシュ | データブロックのキャッシュにより読み書き処理速度の向上を行うモジュール |
シンボリック/ハードリンク | シンボリック/ハードリンクをサポート |
カスタマイズ可能な属性 | 使用事例に合わせて任意の拡張ファイル属性を定義するオプションを提供します。 |
フラッシュ向け設計 | フラッシュメモリーメディアに消去/プログラム/読み取りサイズのスペックを指定 |
調整可能なビットマップバッファーサイズ | Paragon FSは、必要に応じてユーザーが定義したビットマップバッファーサイズで動作するように設計されています。これにより、開発者は利用可能なメモリの制約に合わせてビットマップのバッファサイズを調整することができます。 |
静的メモリアロケーション | Paragon FSはRTOS環境の適切かつ安定した動作のため、動的メモリアロケーションを回避します。 |
RTOSに最適化されたコード | Paragon FSはそのコードに再帰を使用していません。そのため、コードの実行時間が予測可能となり、RTOSの応答時間から遅延する問題を回避することができます。 |
低リソース環境への互換性 | Paragon FSは低リソースのOSやプリブート環境にも容易に統合できます。 |
Paragon FS SDK パッケージ
Paragon FSのSDKパッケージは、開発者が自社の組込みソリューションと統合するために提供されます。SDKパッケージには、x86とARMアーキテクチャ用のバイナリライブラリ、開発者向けのガイド、Paragon FS APIのリファレンスマニュアル、およびシンプルな統合例としてParagon FSをFUSEベースでLinuxに実装するソースコードが含まれています。シンプルな FUSE 統合に加えて、QNX リソース マネージャの実装も Paragon FS 用にご用意しています。
またParagon FS SDKパッケージを使用して、組み込み機器の開発者自身がParagon FSの統合を行うことも、パラゴンソフトウェアにParagon FSの統合することを依頼することも可能です。後者を選択された場合、パラゴンソフトウェアは顧客環境とParagon FSの統合についての全体を完全にカバーするテストカバレッジを提供します。
その他
製品資料 | Paragon FSの資料をダウンロード |